2010年6月8日火曜日

永遠の嘘をついてくれ

人は自分のために「なぜ?」と聞く。男は、あるいは女は、それを振り払う。
人は分かり合えないものだから。それが深いものであればあるほど届かない。
届かなくてもいいと思える簡潔な想いがある。

これはこどもの気持ちを持ち続けた大人が、こどもの気持ちを守るの歌だ。
そのために嘘をつく。嘘をつかなければ守り続けてきた大事が失われる。

この曲を知ったのは、NHKが放送していた、吉田拓郎とかぐや姫のジョイント・コンサート「つま恋コンサート」の終盤だ。コンサートは吉田拓郎のパートからはじまりかぐや姫、そして吉田拓郎に戻ってくる。昼に始まったコンサートは、もう暗闇に包まれていた。ボルテージもあがっていて、拓郎にふさわしい夜だ。熱い拓郎を見ると、自分は「たくろうライブ73」を思い出さずにはいられない。音霊と言霊が化学反応した歴史的な名盤だと思う。その再現を見る思いだ。
そこにシークレット・ゲストとして中島みゆきが登場した。この瞬間まで、まったく関心のなかった人だ。凛とした彼女の立ち振る舞いが、その場の空気を変え、その空気が音霊、言霊と混ざり合って、切なくなるほど美しい化学反応を起こした。人は誰でも自分の選択と行動で自分にしかできない人生を生きることが出来ることを体現していた。

その瞬間から、<永遠の嘘をついてくれ>は、もっとも大事な一曲になった。